院長ブログblog
- 2023/07/31
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- 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
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肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は50歳代から年配を中心に様々な要因によって、肩関節の痛みと運動制限をきたす疾患の総称です。
ある日突然、違和感から始まり徐々に日常生活において肩の痛みが増してきたり、腕が上がらなくなるなどの症状が続く場合は肩関節周囲炎の可能性があります。
病因・病態
関節を構成する骨、軟骨、靭帯や腱などが加齢により肩関節の周囲に炎症が起きることが主な要因とされていますが多くは原因が不明であることが多いです。
症状
主な症状は、肩の痛みと関節可動域制限です。
炎症期、拘縮期、回復期の3つの病期に分類されそれぞれの時期で症状も治療方針も異なります。
炎症期は安静時痛や夜間痛を伴うことが多くあります。そのため日常生活動作に支障をきたすことが多いです。
診断
肩に生じる痛みは、関節の変形、石灰沈着性腱板炎、腱板断裂、上腕二頭筋腱炎など五十肩以外で生じる痛みも考えられます。
そのため、レントゲン撮影、超音波検査、MRI検査などで疾患を判別して診断します。
当院における治療
3つの病期を見極め、病期に沿った治療を選択していきます。
炎症期
明らかなきっかけがなく、強い痛みを生じます。多くの場合、安静時痛・夜間時痛を伴います。
この時期は、鎮痛が主な治療方針となり、鎮痛薬の処方、日常生活指導、場合によってはストロイド注射も行います。
理学療法では、なるべく痛みの出る動作は避け物理療法や肩甲骨の運動、ストレッチ、就寝時のポジショニング指導など段階に応じて指導していきます。
拘縮期
炎症期の強い痛みは徐々に軽減し、肩の可動域制限が主な症状となります。
この時期は、痛みに応じて肩関節を動かしていきます。ただ闇雲に動かすのではなく、固まっている組織を見極めながら動きを広げていきます。さらにハイドロリリースと理学療法を併用することでより治療期間の短縮が見込めます。医師と理学療法士で連携をとりながら関節周囲の組織、筋肉が硬くなっている部位を見極めながら施行します。
肩の痛みは、周辺の筋肉を緊張させこわばりが出ることが多いため、漢方薬の調整も行いながら進めていきます。
回復期
制限されていた肩の動きが改善してくる時期であり、この時期になると積極的に動かしていきます。
さらに、肩の土台となる肩甲骨周囲の筋力トレーニングや背骨の動きも出すことでより肩がスムーズに動かせるようにしていきます。
採取目標は、日常生活で困らないこと、趣味・スポーツ活動が病前のように行えるようになれば、治療終了となります。
(文責 /本正)