院長ブログblog
- 2023/12/04
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- 変形性膝関節症
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変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、変形性関節疾患の中で最も頻発するとされています。
関節において、関節軟骨の退行性変化(加齢)を基盤に骨の増殖性変化や滑膜の炎症が生じることで、関節破壊・変形をきたす疾患で肥満との関係が深いともされています。
わが国では、内側型(O脚変形)の変形性膝関節症が多いとされています。
症状
主症状として以下が挙げられます。
①疼痛
②可動域制限
③膝関節の腫脹
④関節変形
病初期においては、動作開始時のこわばりや痛みなどから始まり、進行すると動作中も痛みが現れ、歩行に支障が出てきます。
二次性の滑膜炎による関節液の貯留(膝に水が貯まる)などにより関節の腫れが見られます。腫れがある事で、膝の屈伸可動域の低下や筋力低下を招きます。
原因・病態
変形性膝関節症の原因として一次性と二次性に分けられ、中高年(50歳以上)の女性に好発し、明らかな原疾患のない一次性が多いとされています。
①一次性膝関節症
・原疾患が明らかでないもの(加齢・肥満などに関連)
②二次性膝関節症
・外傷(半月板損傷、骨折、膝靭帯損傷など)
・関節炎(関節リウマチ、化膿性関節炎など)
・その他(反復性膝蓋骨脱臼など)
検査
レントゲン、超音波検査(エコー)、CT、MRIなど画像検査を行うことで、どこが痛いのか、なぜ痛いのかが明らかになる場合があるため、診断の補助として使用します。
当院での治療
進行度に関わらず保存療法が第一選択とし、保存療法が無効な場合は手術療法が選択されます。
主な保存療法
①薬物療法
疼痛の改善を目的に、内服薬として鎮痛薬や漢方処方、関節内注射(ヒアルロン酸、ステロイド)を行います。
②理学療法
痛みの原因を評価し、原因に対して個々に合った膝関節周囲の筋力強化や関節可動域訓練などの運動療法を行います。
③日常生活指導
理学療法と合わせて、歩行・階段昇降動作・正座・しゃがみ込み動作などで、痛みの原因となる”癖”がないか評価し、日常生活動作の指導も行なっています。
④装具療法
痛みが強い場合は膝サポーターの処方、必要に応じてインソールの作成も依頼しています。
(文責/本正)