院長ブログblog
- 2024/02/09
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- 足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)
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捻挫とは、関節を支えている靭帯や関節包が損傷することであり、捻挫のほとんどは内側に捻って生じる足関節外側靭帯損傷です。日常生活では階段の段差を踏み外した際に受傷するする事が多く、スポーツにおいては、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどの着地動作で特に生じやすいとされています。
病態
足首の外側の靭帯は主に、前距腓靭帯(ATFL)・踵腓靭帯(CFL)・後距腓靭帯(PTFL)の3つの靭帯で構成されます。中でも、前距腓靭帯(ATFL)は足関節靭帯損傷の90%~95%と高頻度に損傷されやすいとされており、さらに強い力が加わると踵腓靭帯(CFL)、さらには後距腓靭帯(PTFL)へと連鎖し損傷するとされています。
症状
・足関節外側(外くるぶし)を中心とした腫れや皮下出血
・外側の靭帯に一致する圧痛・疼痛
ごく軽度の捻挫であれば、腫れや不安定性が少なく歩行も可能ですが、重症例では、強い腫脹と疼痛・不安定性が生じ、捻挫に伴った合併損傷の確認も必要となります。
また損傷後、約30%は慢性足関節不安定症(CAI)へと移行するとされており、「たかが捻挫」と思い適切な処置を行わないと慢性的な足関節の不安定症に移行する恐れもあります。
当院における主な検査
・患部の状態確認(腫れの程度、不安定性、可動域など)
・エコー検査
・レントゲン検査
捻挫には、骨折を伴う捻挫もあるためレントゲン検査も必ず行います。レントゲン検査では靭帯は写らないため、エコーを用いて靭帯の状態(損傷の程度)を評価した上で適切な治療方法を提案しています。
当院における治療方法
症状、損傷の程度や受傷部位によって異なりますが、主に以下のような治療を行います。
・固定、テーピング:
急性期の痛みで足を着いて歩けない場合はシーネ固定と松葉杖による免荷を行います。
強い腫れや、痛みが軽減すればサポーターに変更します。
・薬物療法
痛みや腫れを軽減するために、消炎鎮痛剤などの処方を行う場合があります。
・理学療法
靭帯の損傷程度に応じたリハビリテーションを行っていきます。一度、緩くなった靭帯はトレーニングで強化する事はできないため、足部
周囲の筋力を強化する必要があります。また、足関節だけでなく、膝・股関節、体幹など全身の筋力強化を行うことにより捻挫しにくい身体をつくる
ことが重要です。