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院長ブログ
2024/04/24
News,院長ブログ,コラム
腰痛:多くの人が悩む日本の国民病

腰痛は、日本の8割以上の人が一生のうちに経験するといわれる国民病です。

ぎっくり腰や慢性的な腰痛など、さまざまな種類があり、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的なストレスにもつながります。

腰痛は、さまざまな原因によって起こります。


原因

非特異的腰痛:原因が特定できない腰痛で、全体の85%を占めます。

長時間の同じ姿勢、筋力不足、肥満、加齢などが原因と考えられています。

特異的腰痛:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、変形性腰椎症、腰椎分離症・すべり症、脊椎腫瘍など、特定の原因によって起こる腰痛です。

心因性腰痛:ストレスや精神的な要因によって起こる腰痛です。



腰痛の種類と症状

腰痛は、症状や原因によって以下のように分類されます。

●急性腰痛症(ぎっくり腰):突然、強い痛みやしびれを感じ、動けなくなる腰痛です。重い物を持ち上げたり、かがんだりした際に起こることが多い。

慢性腰痛:3ヶ月以上続く腰痛です。

原因は様々で、非特異的腰痛、特異的腰痛、心因性腰痛などが含まれます。

坐骨神経痛:坐骨神経が刺激されることによって起こる、お尻や足にかけての痛みやしびれです。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で起こることが多い。



腰痛の検査

腰痛の原因を特定するために、以下の検査が行われます。

問診:医師が症状や生活習慣などについて質問します。

身体検査:腰の動きや筋肉の状態などを検査します。

レントゲン検査: 腰椎の変形や姿勢の偏りがないか確認します。

MRI検査:椎間板や骨の変性による神経への圧迫がないか確認します。

CT検査:骨折や腰椎分離症を疑う時に検討します。




腰痛の治療

腰痛の治療は、原因によって異なります。


保存療法

薬物療法:急性期には痛みや炎症を抑える薬を服用します。慢性化しているものについては漢方による凝り、緊張の緩和が効果的です。

物理理学療法:電気療法(干渉波)、牽引装置により患部の拘縮をとり、痛みの改善を図ります。

運動療法:理学療法士の指導のもと、腰痛予防や再発防止のための運動を行います。


手術療法

●2、3ヶ月の保存療法でも痛みの改善が乏しく、かつMRIで椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が明らかな場合に検討されます。



腰痛の予防

腰痛の予防には、以下のことが大切です!

適度な運動:ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、腰痛予防に効果的です。週に3~5回、30分程度行うのが理想です。

無理なく生活の習慣として取り入れることを推奨します。

筋力トレーニング:腹筋や背筋を鍛えることで、腰を支える力が強くなります。特に、腹筋と背筋をバランスよく鍛えることが重要です。

正しい姿勢:座っているときや立っているときは、背筋を伸ばして正しい姿勢を保ちましょう。猫背や前かがみの姿勢は、腰に負担をかけます。

体重管理:肥満は腰痛のリスクを高めます。BMI25以上の人は、減量を目指しましょう。

ストレス解消:ストレスは腰痛の原因になることがあります。

適度な運動や趣味など、ストレス解消法を見つけましょう。



整形外科を受診するタイミング

以下のような場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

強い痛みやしびれがある

痛みが長引く

脚のしびれや脱力感がある

排尿障害や排便障害がある

体重減少や発熱がある


まとめ

腰痛は、早期治療と予防が大切です。 上記の内容を参考に、腰痛の予防と治療に取り組みましょう。



この記事の著者

廣野 大介

こうの整形外科・漢方クリニック 院長

廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本東洋医学会 専攻医

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