運動やスポーツは、健康維持やストレス解消に効果的です。
しかし、膝に痛みを感じてしまうと、思うように体を動かせなくなってしまいます。
今回のコラムでは、整形外科医の視点から、運動による膝痛の原因と予防・改善方法について解説します。
膝痛の原因
膝痛は、さまざまな原因によって起こります。
1. 使い過ぎ
ランニングやジャンプなど、膝に負担がかかる運動を繰り返し行うことで、膝周辺の組織に炎症が起こり、痛みを生じることがあります。
2. 加齢
年齢とともに、膝軟骨がすり減ったり、関節炎を発症したりしやすくなります。
3. ケガ
転倒やスポーツ中の事故などによって、膝の靭帯や軟骨を損傷し、痛みを感じることがあります。
4. 体重
体重が重すぎると、膝に負担がかかりやすくなり、痛みを引き起こす可能性が高くなります。
5. 筋力不足
太ももの筋肉が弱いと、膝関節を支える力が弱くなり、痛みを感じやすくなります。
6. 姿勢の悪さ
姿勢が悪いと、膝関節に負担がかかりやすくなり、痛みを引き起こす可能性が高くなります。
膝痛の予防方法
膝痛を予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。
1. ウォーミングアップとクールダウンをしっかりと行う
運動前には、ウォーミングアップで筋肉をほぐし、運動後はクールダウンで疲労を回復させましょう。
2. 自分に合った運動強度を選択する
痛みを感じながら運動を続けると、症状を悪化させてしまう可能性があります。自分の体力に合った運動強度を選択しましょう。
3. 体重管理をする
体重を減らすことで、膝にかかる負担を軽減することができます。
4. 筋力トレーニングをする
太ももの筋肉を鍛えることで、膝関節を支える力が強くなり、痛みを予防することができます。
5. 姿勢を正す
正しい姿勢を意識することで、膝関節に負担がかかりにくくなります。
膝痛の改善方法
膝痛がすでに発生している場合は、以下の方法で改善を試みましょう。
1. RICE処置
Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)のRICE処置は、痛みや腫れを軽減する効果があります。
2. 消炎鎮痛剤
痛みが強い場合は、医師の指示に従って消炎鎮痛剤を服用しましょう。
3. サポーター
膝関節を固定するサポーターを使用することで、痛みを軽減することができます。
4. リハビリテーション
筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリテーションを行うことで、膝関節の機能を回復させ、痛みを改善することができます。
5. 手術
保存療法で改善が見られない場合は、手術が必要になることもあります。
まとめ
膝痛は、さまざまな原因によって起こります。予防には、運動前のウォーミングアップやクールダウン、自分に合った運動強度の選択、体重管理、筋力トレーニング、姿勢の改善などが重要です。
痛みを感じたら、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。
整形外科医は、膝痛の原因を診断し、適切な治療法を提案します。運動を楽しみながら、健康的な生活を送りましょう。
この記事の著者
こうの整形外科・漢方クリニック 院長
廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本東洋医学会 専攻医