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院長ブログ
2025/04/15
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梅雨時期に増える“なんとなく不調”の正体とは?整形外科的ケアで乗り切る方法

梅雨時期に増える“なんとなく不調”の正体とは?整形外科的ケアで乗り切る方法

梅雨の季節になると、「だるい」「関節が痛い」「なんとなく調子が悪い」といった不調を感じる方が増えます。これは気圧や湿度の変化が、体の機能や自律神経に影響を与えるためです。
本記事では、梅雨に多い“なんとなく不調”の原因と、整形外科的ケアで快適に過ごすための対策をご紹介します。

1. 梅雨に感じる“なんとなく不調”とは?

梅雨の時期、明確な病名があるわけではないのに、なんとなく体がだるく感じたり、関節が重いと感じることはありませんか?この「なんとなく不調」は、気圧・気温・湿度の変化が原因で体に負担がかかることで生じます。

特に、以下のような症状がよく見られます:

  • 頭痛・肩こり
  • 関節痛(特に古傷が痛む)
  • 腰痛や背中の張り
  • むくみ、倦怠感
  • 気分の落ち込み、集中力の低下

これらは気象変化によって自律神経が乱れ、血流や筋肉の緊張に影響を与えることが主な原因です。

2. 整形外科的視点で見る梅雨の体調変化

湿度が高く、気温も変動しやすい梅雨時期には、以下のような整形外科的トラブルが増えます。


・関節の違和感・痛み

 関節内の圧が気圧の変化で微妙に変動し、関節周囲の神経が刺激されやすくなります。古傷や関節疾患のある方は特に症状が出やすいです。

・筋肉のこわばり
 気温が安定せず、体温調整がうまくいかないと、筋肉が緊張したまま硬くなってしまいます。これが肩こりや腰痛の原因に。

・姿勢の乱れ
 雨の日は活動量が減り、長時間座っていたり、運動不足になりがち。結果として姿勢が崩れ、筋肉や関節に余計な負担がかかります。

3. “なんとなく不調”を防ぐ整形外科的ケア

(1)朝の軽いストレッチ
朝起きたときに軽い全身ストレッチを行うと、血行が促進されて筋肉のこわばりを防げます。首・肩・腰を中心にゆっくり動かしましょう。
モーニングルーティーンとして取り入れるのが良いでしょう!

(2)天気に左右されない温度管理
室温や湿度を一定に保つことが自律神経の安定につながります。除湿器やエアコンを活用して、湿度50〜60%を目安に。


(3)ウォーキングや軽運動の継続

雨で外に出られない日は、室内でのストレッチや軽い筋トレでもOK。筋肉を動かすことが血流改善に直結します。


(4)お風呂で体をリセット

ぬるめ(38〜40℃)のお湯に10〜15分浸かることで、筋肉がほぐれ、自律神経が整います。夜の睡眠の質も向上。
冬場だけではなく、年間を通じての入浴をおすすめします!

4. こんな時は整形外科を受診

以下のような症状がある場合は、単なる気象による不調だけでなく、体の構造的な問題の可能性があります。

  • 関節の痛みが続く
  • 腰痛が日常生活に支障をきたしている
  • 首や肩がこって頭痛を頻繁に感じる

整形外科では、痛みの原因を診断した上で、リハビリや物理療法、必要に応じて漢方的な治療も組み合わせることができます。
特に五苓散などの利水の役割をはたすような方剤を用いると、これら気象の変化に伴う不調が改善されやすいです。

まとめ

梅雨時期の“なんとなく不調”は、自律神経や血行、筋肉の緊張が関係していることが多くあります。整形外科的な視点で体のメンテナンスを行うことで、不調を予防し、快適な季節の移り変わりを過ごすことができます。無理なく日々の生活にセルフケアを取り入れて、健康な毎日を送りましょう。


この記事の著者

廣野 大介

こうの整形外科・漢方クリニック 院長

廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本東洋医学会 専攻医

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