第1章:睡眠の質は“体の状態”にも左右される

睡眠というと、寝る時間や環境に目が向きがちですが、もうひとつ重要なのが「体の状態」です。深い眠りにつくためには、以下の要素が欠かせません。

  • 体が芯からリラックスできているか
  • 無意識の緊張が筋肉に残っていないか
  • 寝ている間に特定の部位へ負担がかかっていないか

これらの身体的条件が整っていないと、脳が休まろうとしても身体が「警戒モード」を解けず、睡眠の質が低下してしまいます。

第2章:肩こり・腰痛と睡眠の関係

例えば肩こりが強いと、横になっても首や肩の力を完全に抜くことが難しくなります。腰痛の場合も、寝返りのたびに微かな違和感が生じ、無意識に「楽な姿勢」を探し続けてしまいます。
本人は気づいていなくても、体はずっと軽く緊張している状態。その結果、深い睡眠に入りにくくなり、「寝たはずなのに疲れが残る」という現象が起きるのです。

第3章:無意識の緊張が抜けない状態

日中の姿勢や体の使い方は、そのまま夜の状態にも影響します。デスクワークで肩が上がったままの状態が続いたり、同じ姿勢で呼吸が浅くなったりすると、体は「緊張が抜けにくいモード」に固定されてしまいます。そのまま入眠してもスイッチが完全にオフになりきれず、これが疲労感の蓄積を招きます。

第4章:漢方を用いた「緊張」と「睡眠」へのアプローチ

当クリニックでは、長引く慢性痛の治療過程で、漢方薬を用いて睡眠の改善を一緒に行うことがあります。身体が緊張状態にあるかどうかの指標として、以下の点をチェックします。

  • 布団に入ってからの寝付きの悪さはないか
  • 夜中にふと目が覚める(中途覚醒)はないか

睡眠の質を上げるように作用する漢方薬は、心身を穏やかにリラックスさせる効果をもたらします。これにより、ガチガチに固まった肩こりや腰痛の緩和にもつながることが期待できるのです。

第5章:まとめ|「鶏が先か、卵が先か」の関係

腰痛や肩こりの改善が睡眠を深くすることもあれば、睡眠が改善されることで筋肉の緊張が解け、痛みが楽になることもあります。まさに「鶏が先か、卵が先か」という密接な関係です。

慢性的な痛みと不眠の両方に悩んでいる方は、一度、全体のバランスを見直してみてはいかがでしょうか。

  • 漢方の調整で身体と心の緊張をほぐす
  • リハビリや運動療法で姿勢のバランスを整える

当クリニックでは、このような多角的なアプローチで根本からの改善を目指しています。お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


この記事の著者

廣野 大介

こうの整形外科・漢方クリニック 院長

廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本東洋医学会 専攻医