第1章:そもそもエコノミークラス症候群って何?
ざっくり言うと、主に長時間同じ姿勢でいることで血流が悪くなり、血管内に血栓(血の塊)ができる病気のことです。
特に重力と血流の停滞の影響を受けやすい足にできやすく、その血栓が肺に飛んでしまうと、「肺血栓塞栓症」を引き起こし、息苦しさ・胸の痛みにつながることがあります。
第2章:年末年始に増えるのは“ちゃんと理由がある”
ご存じのとおり、帰省シーズンはとにかく移動が長い。ただ、それ以外にも冬ならではの“リスク上昇ポイント”がいくつかあります。
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冬の寒さで血管が細くなる
体温を逃がさないようにする反応のひとつ。それ自体は正常ですが、血流は当然悪くなります。 -
水分をとらない
冬は喉の渇きを感じにくい。気づいたら半日なにも飲んでない、なんていう状態が起きやすいです。 -
厚着で動きにくい
コートやダウンで、足を組み替えたり立ち上がりづらい。“動きづらさ” もリスクのひとつです。
つまり、冬の移動はエコノミークラス症候群が起こりやすい条件が自然とそろってしまうということなのです。
第3章:こんな症状があれば一度立ち止まって
以下のような症状は軽く扱わないでください。
◆ 足に出るサイン
- 片足だけパンパンに張る
- ふくらはぎを押すと痛い
- むくみが普段と明らかに違う
- 触ると少し熱っぽい
特に**「片側だけ」**は重要なヒントになります。
◆ 肺に血栓が飛んだ可能性のあるサイン
- 急に息がしづらい
- 胸が痛い
- 動悸がする
- めまい
このあたりは、“様子見”ではなく早めの受診をおすすめします。
第4章:今日からできるシンプルな予防法
予防といっても難しいことは必要ありません。整形外科的には、以下の3つを徹底すれば十分です。
● ① とにかく同じ姿勢を続けない
- 車なら1〜2時間に1回休憩
- 新幹線なら足首を回すだけでもOK
- 可能なら通路側の席
「立つ」か「動かす」。これだけです。
● ② 水分を少しずつとる
冬は脱水気味になりやすいです。“喉が渇く前に飲む” を意識してみてください。
● ③ 下半身を冷やさない
ブランケット、レッグウォーマー、厚手の靴下。足を温かくしておくと血管が広がり、血流が保たれます。
第5章:まとめ|気をつけ方が分かれば怖い病気ではありません
エコノミークラス症候群という名前だけ聞くと怖いですが、仕組みが分かれば対策はとてもシンプルです。
- 同じ姿勢を続けない
- 少しでも動かす
- 水分をとる
- 下半身を温める
この4つを意識しておけば、年末年始の移動はぐっと安心できます。
せっかくの帰省や旅行ですから、体の負担はできるだけ少なく、気持ちよくスタートできるといいですね。
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