blog

院長ブログ
2024/03/26
News,院長ブログ,コラム
打撲したら病院に行くべき?

打撲したら病院に行くべき?


打撲は、転倒や衝突など日常生活の中で誰でも経験する可能性のある怪我ですが、軽視されがちです。


適切な対処を怠ると、痛みや腫れが長引いたり、さらに深刻な問題に発展する可能性があります。


この記事では整形外科医としての医師目線で打撲の症状、治療期間、治療中の過ごし方、

そして病院に行くべきケースを紹介します。


打撲が引き起こす問題

  • 慢性的な痛みの発症
  適切な治療をせずに放置すると、痛みが慢性化し、
  日常生活に支障をきたす可能性があります。
  • 可動域制限 
  腫れや痛みによって、患部の可動域が制限され、運動機能が低下する可能性があります。
  • 感染症の危険性
  傷口から細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。


打撲のリスクを高める要因

高齢になると、皮膚や筋肉が薄くなり、打撲によるダメージを受けやすくなります。

骨粗鬆症になると打撲だけでなく骨折も併発しやすくなり、重症化する可能性が高くなります。

糖尿病になると、傷の治癒が遅くなり、感染症のリスクが高くなります。

いずれも生活習慣の改善でリスク低減がある程度可能です。食生活、運動習慣などを今一度見直してみましょう。



打撲による症状

大きく分けて3つ部位に影響を及ぼします。

・皮下出血: 皮膚の下に出血が起こる。青あざができる。

・筋肉損傷: 筋肉が損傷される。痛みや腫れ、可動域制限が起こる。

・骨折の併発: ぶつけた部位によっては剥離骨折、不全骨折を伴うことがあります。



打撲の重症度

  • 軽度: 痛みや腫れが1週間以内に引いて、日常生活に支障なくなる。
  • 中等度: 痛みや腫れの改善に1〜2週間かかることが多い。
  • 重度: 2週間経っても腫れ・痛みが引かない


打撲の治療法

打撲の治療法は、症状の程度によって異なります。


 軽度の場合

  • RICE処置: 患部を安静(Rest)に保ち、冷却(Icing)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)を行う。
  • 痛み止め: 痛みが強い場合は、鎮痛薬や湿布を服用する。

 中程度〜重度

受傷当初から腫れや内出血が目立つ場合や、1週間経っても症状が改善しない場合は、中程度から重度の打撲傷である可能性が高く、適切な処置を行わないと、数ヶ月経過しても痛みが取れず、腫れも残って運動に支障をきたすこともあります。医師の診察を受け、骨折の併発がないかどうか、固定の必要性について判断してもらいましょう。


打撲後の過ごし方

打撲をした後は、以下の点に注意して過ごしましょう。

  • 安静第一:痛みのあるうち1、2週間は患部を安静に保ち、動かさないようにしましょう。
  • 患部を冷やす:怪我してから3日間は、患部を冷やすことで、痛みや腫れを抑えることができます。
  • 無理をしない:痛みがあるうちは無理をせず、安静に過ごしましょう。しかし2週間経っても痛みが引かない場合は、引き続き安静にすべきか、運動・リハビリを開始すべきか医師の判断が必要です。診察を受けましょう。
  • 患部を清潔に保つ:患部を清潔に保ち、感染を防ぎましょう。
  • 十分な栄養を摂る:十分な栄養を摂ることで、回復を早めることができます。


すぐに病院へ行くべきケース

以下の場合には、早めに(すぐに!!)病院を受診しましょう。

  • 強い痛み・腫れがひどい:強い痛みがある場合は、骨折やじん帯損傷などの重症の可能性があります。
  • 内出血が広範囲に及ぶ:血管を損傷している可能性があります。
  • 患部に熱感がある:創部に感染が及んでいる可能性があります。
  • 1週間経っても症状の改善がみられない。または悪化している。

まとめ

打撲は日常生活の中で誰もが経験する可能性のある怪我です。適切な対処をすることで、痛みや腫れを早く抑え、回復を早めることができます。症状が軽い場合は、RICE処置や薬物や漢方による療法などで自宅で治療することができます。

back